ワシミミズクの赤ちゃん成長記録
ワシミミズクの「おすぎ(オス)」と「ぴーこ(メス)」の赤ちゃん、「あい(オス)」と「はるな(メス)」の成長記録です。
ワシミミズクは巣箱の中で産卵、抱卵、子育てをおこないます。
巣箱の中の様子を知るためには、子育て中で気がたっている親たちをかいくぐる必要があります。
しかし、ワシミミズクは体が大きく、しかも太くて力強い脚と鋭い爪をもっているため、よほどのことが無い限り、巣箱の中を覗いて子供の成長過程を確認する、ということができません。(´д`lll)
そこで、巣箱内に赤外線カメラを設置して巣箱内の様子を横のモニターでLIVE中継&録画ができるようにしました。
本日の朝、カメラを通して卵を一つ産卵しているのを確認。有精卵かどうかは不明。
2月から3月にかけ、ぴーこは合計6つの卵を産みました。
しかし、そのうちの4つは事故か故意か親によって落とされ、割られてしまいました。
割られるたびに、私たち飼育員は肩を落とし、残りの2つも割られてしまうのではないかと心配する日々が続きました・・・。
抱卵中はじっとしていてあまり動くことはありません。
この日もぴーこは卵を抱いてじっとしていましたが、どうしたのか突然羽をばたつかせて、卵から飛びのいてしまいました。
ぴーこが去ったあとを見ると、なんと卵にひびが入っています!!
どうやら”はしうち”が始まったようです。(^o^)
ひびは徐々に広がっていき、卵の中からはヒナが鳴いているのも聴こえました!
ぴーこは割れ始めた卵と鳴き声にびっくりして飛びのいたのですね。
しばらくするとぴーこが帰ってきました。
警戒しつつ恐る恐る卵に近づくぴーこ。
ヒナの誕生は今回が初めてではないのですが、それでもびっくりしたようです。^_^.)
この後は無事に抱卵を再開してくれました。
一羽目のヒナ(命名:あい)が殻を切るようにこじ開け、生まれました!(*^_^*)
生まれてすぐにじたばたとよく動き、元気な赤ちゃんです。
お母さんのぴーこは、ずっとヒナを温めてあげるわけではないようで、時々放置していました。
深夜に2羽目のヒナ(命名:はるな)も無事孵りました!
抱卵中や子育て中、お母さんはヒナたちを温めてあげて、口移しでご飯をあげたり、と巣箱にこもりっきりで外に出ることは基本的にありません。
ですから、お父さんのおすぎがぴーこの元にエサをせっせと運びます。
頼れるお父さんです♪
エサ配達係のおすぎもやはりヒナたちが気になるようで、たびたび巣箱の中に入って来ます。しかし、奥まで入るとぴーこに怒られてしまうことも・・・。
頑張れ、お父さん。(>Д<)
顔の周りに毛が生えてきたのか、すこし模様がかってきました。
上に乗っかっているのが、おそらくお兄ちゃんのあいです。
目が開いてきました。
体がまだら模様になり、だいぶ大きく、そして爪も鋭くなりました。
2羽で寄り添い、カメラの方をじっと見ています。
縦に2羽並んでいます。
とっても羽がもふもふしています。
ヒナたちは親の愛情をたっぷり受けて、かなり大きくなりました。
巣箱に親子3羽入ると、もうぎゅうぎゅうです。^_^;
羽もしっかりと生え、とても活発に動いています。
そして、ついにヒナが巣箱から顔をだすようになりました。(^o^)/
じゃんっ!!
・・・あれ?
思ったより可愛くな・・・いや、とってもぶちゃかわいいですね。(^^♪
朝飼育員が出勤してみると、親の傍らに子供がぽつり。
あいが巣立ちしたようです!
巣立ちまでにかかった期間は41日。
早いですね。^_^;
このころには、2羽の間で顔や性格にもだいぶ違いがでてきました。
あい:ひょうきんな顔つき。やんちゃで甘えん坊。
走り回ったり、首をぐるぐる回したり、親をまねてクチバシを
ガチガチ鳴らしたり、お母さんの羽毛に顔をうずめたりする。
はるな:目つきが鋭く、ちょっとコワモテ。でも性格はおとなしめ。
よく寝ている。寝顔はかわいい。
はるなも巣立ちしました。巣立ちの瞬間の動画です。
・・・華麗な巣立ちでしたね。(笑)
足を滑らせて落っこちてしまいましたが、幸いなことにけが等なく、発見時には2羽とも元気でした。
この日はDNAによる雌雄判別用のため、羽根を少し採取しました。
実はワシミミズクは見た目での雌雄判別がとても難しく、性別を理解するためには大学の研究室などにお願いして調べてもらう必要があります。
見た目では男か女か分からないため、どちらでもいいような名前にしようということで、浜松市動物園のワシミミズクの名前は決められています。(^-^)
なお、この時に体重測定もおこないました。
あい:1.9kg はるな:2.2kg
また、体重測定中、朽ちた止まり木を倒してしまったため、新しいものに交換しました。
隅っこに2羽固まり、ビビッてます。^_^;
しかし、そのうち慣れたのか、飽きたのか、ちょこまかと動き回り始めたあい。
終始固まりっぱなしだったはるな。
性格の違いがよくでています。
親と比べてもさほど大きさの違いがなくなってきました。羽根も大人仕様に変わってきています。
なお、先日設置した新しい止まり木には早々に親子で止まるようになりました。
子どもたちのためにつけた止まり木なのに、一番使用しているのはお母さんだったりします。(^-^)
写真は左から順に、はるな、あい、ぴーこ。
DNAによる雌雄判別の結果、あいはオス、はるなはメスであることが判明!
なんと、実はあいちゃんではなくアイ君だったようです!
・・・もう愛着も湧いてしまったので、今さら名前の変更なんてしません。((+_+))
もう親と並んでも変わらない大きさです。むしろお父さんよりも大きいですね。
左がお父さんのおすぎ、真ん中があい、右がお母さんのぴーこです。好奇心が旺盛なあいは撮影中こちらへ飛んでくることも・・・少しびっくりします。(^o^)
とっても怖がりなはるなは、怖いことがあると真っ先に逃げ、お母さんの後ろに隠れています。(・_・;)