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スタッフ日記

2022年 6月 21日
「世界キリンの日2022!」

こんにちは!
本日は一年の中でいちばん昼の時間が長い夏至ですね!(雨ですが)


2014年にイギリスのキリン保全財団(GCF)が最も昼の時間が長い日に
世界で最も首の長い動物であるキリンについて注目してもらおう!と
この日を世界キリンの日に制定しました。

浜松市動物園には現在、リョウ(♂12歳)、シウン(♀11歳)、ルイ(♂2歳、来月3歳になります)の3頭のキリンが暮らしています。

当園をはじめ、日本国内の多くの動物園でキリンが暮らしており、動物園に行けば必ず見られると言えるほど、日本には多くのキリンが暮らしています。

(ウィンビとルイ)


しかし、野生に暮らすキリンたちの現状はあまり良くありません。
現在、アフリカ大陸に生息する野生のキリンは約11万7000頭とされ、
この頭数は野生のアフリカゾウの約3分の1と言われています。
また、野生のカバよりもキリンは数が少ないとされています。
(ここでは一括りにキリンとしていますが、キリンは現在4種に分けられるとされ、種によっては絶滅の危機に瀕しているキリンもいます)

動物園でよく見られる動物が野生にも多く生息しているわけではありません。

(シウン)



野生下のキリンの数がゾウやカバより少ないのは飼育下でさえ寿命が20~25年ほどと大型動物の中ではかなり短いことも要因の一つかもしれません(ゾウやカバの寿命は約50年)。

しかし、キリンたちが生息数を減らしているいちばんの原因は生息地の減少です。
300年前(300年前は日本では江戸時代にあたり、8代将軍徳川吉宗の享保の改革などが有名です)に比べると、現在のキリンの生息地は10%ほどしか残ってないと言われています!
ちょっとびっくりしますよね。


(雨の日のリョウ)




生息地が減少している原因は様々です。
文明の発展などにより人々が土地を開拓したことや、戦争、天然資源の掘削、地球温暖化、家畜の過放牧、密猟、現在も続くとされるアフリカ国内で起きている内紛や内戦です。
それらにより生息地が減少・分断され、取り残されたキリンは絶滅し、生息地が失われてきました。

キリン保全財団は、こうした野生キリンの頭数や行動調査・研究をしたり、分断された生息地に取り残されたキリンを他の生息地に引っ越したり、
逆に、分断された生息地に新たなキリンを導入して、そこでキリンの数を増やし絶滅を防いだり等の活動をしています。
財団だけで現地のキリンを守っていくのは大変なことで、キリンの生息地がある国や政府と協力しながらキリンたちを増やしています。
実際に、新たな土地に移動したキリンたちは繁殖に成功し、仔を産み育てています。

(リョウとシウン、柵の外をつまみ食い中)


キリンたちはもちろん、他の野生動物たちもこの先ずっと地球上で暮らしていくために保全活動はとても大切なことです。
私たちにはなかなかできないことですが、これ以上キリンたちの生息地が失われることが無いようにリサイクル活動だったり、エコな暮らしをするように心掛けることは、アフリカの地に眠る天然資源の掘削活動を抑えることにも繋がると思います。


また、内紛や内戦によってキリンたちの生息地が失われていることはとても悲しいことですよね。
現在、ロシアの軍事進攻により私たちの生活にも影響が出たり、痛ましいニュースを見たり、戦争っていやだなあと改めて感じている人も多いと思います。
でもそれは、私たち人だけでなく、野生動物たちにも悪影響を及ぼしています。
世界が平和であることが、動物を守ることに繋がります。

私たちにできることは本当に小さなことですが、リョウ・シウン・ルイたちの仲間がこの先もアフリカで暮らしていくために、何ができるのかな?を少しでも考えてくれたら嬉しいです!

そして、1日も早く争いのない平和な世界が訪れますように。

最後まで読んでくれた皆さま、ありがとうございました(^^)


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