お知らせ
スマトラオランウータンのムカ死亡の経緯について
オランウータンのムカの死亡の経緯についてお知らせします。
種:スマトラオランウータン 性別:メス
生年月日:1970年4月13日
死亡年月日:2025年1月8日(54歳)
【状況】
ムカは7年くらい前から月経過多や生理不順、それに伴う食欲不振や発熱による体調の悪化が時折みられるようになりました。生殖器系の疾患を疑い、投薬での対処を行ってきました。
昨年の春ごろから症状が悪化し、左下腹部の腫脹や手足の痙攣などが見られるようになり、10月ごろにはぐったりとしてほとんど動かないようになりました。特に食欲不振が顕著で、ほとんど何も口にしないようになり、様々な食べ物を探して与える日々が続きました。
これまでの対症療法では悪化の一方であると判断しました。ムカが54歳という高齢であるため、麻酔のリスクや身体への負担は重々認識していましたが、12月に入り体調が若干回復したこともあり、専門の先生に一度診てもらうこととしました。
【検査時の様子】
麻酔をかけ、エコー検査、X線撮影、血液採取等の予定していた検査は順調に実施できましたが、検査終了後の麻酔からの覚醒時に容体が急変し心肺停止となりました。直ちに緊急蘇生措置を行いましたが、死亡を確認しました。
【解剖所見】
解剖検査を行った結果、重度の腎疾患であったことがわかりました。また、子宮および卵巣にも高度の病変が認められました。
(投稿:2025年01月12日)