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お知らせ

ダチョウ(♀)が1羽亡くなりました


5月7日にダチョウが1羽死亡しました。
当園ではダチョウのメス個体には名前をつけておらず、タグについていた番号や足に塗っているカラーを個体名としています。

今までダチョウが亡くなった際は、特に訃報を掲載していませんでしたが、
今回はGW期間の開園中に放飼場にてキリンとの事故により死亡したため詳細をお伝えします。


今回死亡した個体は先日のスタッフ日記にも掲載した12月に右翼を骨折した個体です。


7日は放飼場にキリンのシウンとルイ(+ダチョウの♀5羽とシマウマ3頭)、サブパドックにリョウを展示していました。

15時前にシウンとリョウを入れ替えてシウンのトレーニングをキリン舎内で行っている際に、放飼場にいたルイにこのダチョウが蹴られてしまい、寛骨(骨盤・大腿骨頭がはまる骨)を粉砕骨折し、放飼場で倒れて立てなくなっていました。
倒れていた場所や解剖時の骨折の状態から蹴られた際にキリンの足と柵に挟まれ衝撃を全身で受け止めてしまったのだと思います。

大型動物が立つことができない場合、次第に循環不全などを起こし死亡します。
今回は骨折していることがわかっていたため、長時間痛みに苦しむことが無いよう、獣医とともに安楽死を選択しました。


(初めてルイを外に出したときとダチョウ)


シウンとリョウを入れ替えた後、その日は簡単なトレーニングにしたので、終わるまで5分ほどでした。
前日の6日にはリョウとルイが久しぶりに同居で落ち着いて過ごせていたのもあり、7日にリョウとシウンを入れ替えた後もルイとリョウは普段に比べるとかなり落ち着いていたので問題ないと判断していました。
また、毎朝基本的にはリョウとルイは同居し、2頭が放飼場で走っていて危ないと判断した場合(大体朝同居して5~15分ほど)にリョウとルイを分離しているので、ダチョウ・シマウマともにルイとリョウが2頭で落ち着かないのを経験しているため、もしも2頭が落ち着かなくても対応できると判断していました。



事故現場を見ていないお客様からすると、リョウの足元でこのダチョウが倒れており、リョウが羽根を踏んでいたり、足でダチョウをつついていたので、リョウが踏みつけたように思われたかもしれません。
リョウは平常時からダチョウが座っていると足でつついたり、卵が生まれそうなのを察知してそばでスタンバイしていたりするので、倒れているダチョウを気にしての行動でした。

ルイは、元々デリケートな性格で他種の動物があまりに近くにいると嫌がって蹴ることがあります(これは母親のシウンにも見られる行動で普通の事です)。今回蹴ってしまったのも、攻撃したわけではなく、ルイにとって嫌なことがあったため、足が出てしまっただけです。

このダチョウも以前からリョウの足の間をすり抜けたり、座っているキリンをつついたり、トレーニング中にそばに寄ってきて座り込んだりとキリンとの距離が近い個体でした。

今回の事故はキリン・ダチョウどちらも悪くありません。
ダチョウが倒れているのを大勢のお客様が見ていましたし、撮影している方も多くいました。
詳細をお伝えしたのは、皆さんに誤解してほしくないこと、誤った情報をSNSなどで流されたくなかったからです。

リョウもルイもダチョウもとてもいい子です。
安楽死を選択するしかなかったのが本当に残念でした。

今回起きてしまった事故を無駄にすることなく、今後の飼養管理に生かしていきます。
当園ではこれからもキリン・シマウマ・ダチョウの混合飼育を続けていきますし、リョウとルイの同居展示もチャレンジし続けます。


最後に、この場をお借りして事故時の様子を伝えてくださった方、ダチョウを心配してくださった皆様にお礼申し上げます、ありがとうございました。


愛嬌のあるとってもかわいい個体でした。


(投稿:2022年05月08日)


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