NPO法人 浜松市動物園協会 NPO法人 浜松市動物園協会
NPO法人 浜松市動物園協会
  • English
  • Português
  • 简体中文
  • 繁体中文

お知らせ

カナダヤマアラシ「サシコ」の搬出について


 カナダヤマアラシの搬出をお知らせします。

愛称:サシコ
生年月日:2015年5月16日
性別:メス
搬出先:秋田市大森山動物園
予定日:2023年12月13日(水)
※展示は前日12日(火)までとなります。


 突然の知らせに驚かれたかもしれませんね。
 表題のとおり、この度カナダヤマアラシのサシコを搬出する運びとなりました。
 行き先は秋田県の大森山動物園……覚えている方もいらっしゃるやもしれませんが、一昨年に当園のメープルが転園した園です。
 つまりは、サシコが合流する形となります。


 では、一体なぜ搬出することになったのか。
 今回はその経緯や事情を、簡単にではありますが綴らせていただきます。


 さて。
 まずは現状のお話から……。

 現在、日本でどれだけのカナダヤマアラシが飼育されているか知っていますか?
 答えは以下の通り。


大森山動物園のモズク(オス)
当園から転園したメープル(メス)
そして、当園のサシコ(メス)

 以上です。

 
 ……えっ?これだけ?
 そう、思われたかもしれません。

 そうなんです。
 カナダヤマアラシは、日本にたった3頭しかいないのです。

 もともと飼育園や個体数が多い種ではなかったですが、ここ数年で一気に減ってしまいました。
 当園でも昨秋にムックが死亡したのが記憶に新しいかと思います。

 ほとんどの方はご存じなかったかと思いますが、実は日本の動物園において、カナダヤマアラシは絶滅の一歩手前・・・・…崖っぷちな危機的状況なのです。

 いやいや、だったら海外から新しい個体を入れればいいじゃないか……と思われるかもしれません。
 しかしながら、そう簡単な話ではありません。

 事実、当園ではムックが死亡してから、海外のオスを探していましたが、残念ながら導入可能な個体は見つかりませんでした。
 
 このまま相手が見つからず時間が過ぎていけば、サシコはどんどんと年をとっていき、繁殖できる可能性も減っていきます。
 このままですと、日本からカナダヤマアラシがいなくなってしまうかもしれない。

 それならばということで、国内唯一のオスであるモズクが暮らす大森山動物園へ転園することになったのです。
 

 サシコはこれまでその可愛らしい容姿や仕草で、多くのお客様より愛されてきました。
 私たちとしてもサシコが居なくなってしまうのは寂しい限りですが、カナダヤマアラシの未来のため、皆様にはご理解いただくとともに、温かく送り出していただければ幸いです。







(投稿:2023年12月06日)


浜松市動物園サポーター募集

NPO法人 浜松市動物園協会