スタッフ日記
「【飼育の日企画】~質問回答~アムールトラ、ユキヒョウ、リカオン」
飼育の日企画、「twitterで飼育員への質問」アムールトラ、ユキヒョウ、リカオンの回答です。
たくさんのご質問ありがとうございました!
●アムールトラ
Q:飼育員から見た仔トラ達の性格は?
回答:
ヒューイ:少しビビり、遊び好き
トート:少し大人っぽい、好奇心旺盛
アース:マイペース、のんびり
サーシャ:あまえんぼ、人懐っこい
Q:仔トラ達はいつごろまでローラと一緒に過ごせますか?それとサーシャと雄3頭の兄妹分けはいつごろですか?
回答:
アムールトラの子育て期間は1年から1年半ほどで、子育て期間が終わると仔どもは母親から離れて独り立ちすると言われています。
動物園でもアムールトラ本来の生態を鑑み、仔がしっかりと自立して大人になれるように、同じように親離れをさせます。
実際の親離れ母仔の様子をみながら徐々に行うので多少時期が前後する可能性はありますが、目安としては1年半前後が親離れの時期となります。
サーシャ(雌)と雄3兄弟を分けるのは親離れが済んでからになるので、具体的な予定時期は現時点で未定ですが、兄妹間での近親交配を避けるため、仔が性成熟(動物が繫殖可能になる年齢)を迎える前には兄妹を分離させる予定です。
Q:飼育員さんから見たトラの可愛さを教えてください
回答:
トラは個体同士でコミュニケーションをとる時に『フフフン』という鼻を鳴らす行動します。慣れると人間に対しても鼻鳴らしの挨拶をしてくれるところが可愛いと思います。
Q:ハートマークのある仔トラさんがいますが、ハートマークのある仔トラさんは、珍しい事例なんですか?
回答:
左目の上にハートマークがある個体はサーシャだと思います。トラの模様は一頭一頭違うので、個体によってはハートマークに見える模様を持ったトラもいるようです。ハートマークの模様が珍しいかどうかは何とも言えませんが、以前浜松市動物園で暮らしていた雄のアムールトラのテン(現在は安佐動物公園で暮らしています)も両目の上の模様はハートマークに見えていました。
他にも変わった模様がないか注目して探してみるもの面白いかもしれません。
●ユキヒョウ
Q:ユキヒョウの視力はどのくらいですか?犬と同じで白黒で見えてるのですか?リーベさんにマタタビエンリッチメントする事はありますか?教えて下さい。
回答:
・ユキヒョウの視力について
ユキヒョウ担当の知る限りでは、おそらくユキヒョウの視力についての具体的な研究はほとんどされていないかと思います。そのためあくまで推測になりますが、山岳地帯に生息するユキヒョウは森林などと比べて隠れる場所が少ない開けた場所で狩りをする必要があるため、遠くからでも獲物を見つけられるようにある程度の視力は備えているのではないかと思います。
動物園では、ユキヒョウ運動場から通路を挟んで向かい側にあるアジアゾウの運動場の掃除をしているとリーベと目が合うことがあるので、人間と同程度以上くらいには見えているのかな?と個人的には思います。
・ユキヒョウの見えている色について
ユキヒョウに限らず多くのネコ科動物は、人間ほど多くの色を認知することができないと考えられています。これは目の中にある錐体細胞という色を感じる細胞の種類が人間と比べて少ないからで、ネコの場合は完全なモノクロではなく、青系などは見える、赤系の色はあまり見えない(諸説あり)といわれているので、ユキヒョウも同じような色覚を持っているのではないかと考えられます。
色を感じる細胞が少ない代わりに明るさを感じる桿体細胞という細胞は人間よりも多く、また目の中にタペタムという反射板のような光を増幅させる器官もあり、人間では全く見えないような暗所でも物を見ることができるといわれています。
これらはネコ科の動物たちが自然界で暮らしていくなかで、色んな色が見えるよりも暗いところで目がよく見えた方が狩りなどに都合がよく、生きていきやすかったためこのような進化をしたと考えられています。
・マタタビエンリッチメントについて
当園ではマタタビを与えたことはありませんが、ハーブ類やニオイの強い木くずを与えたり、運動場の壁面や丸太などに香水でニオイを付けたりして暇つぶしにしています。
ニオイの好みは個体差があるようですが、気になるニオイのときはニオイの元へスリスリしたりゴロゴロしたりしています。
●リカオン
Q:リカオンたちにメスを迎え入れて繁殖の予定はありますか?
回答:
現時点ではリカオンの新規個体の導入は未定となっています。
当面はロシェとドラジェが浜松の環境に十分に慣れて健やかに過ごせるようにすることや、ドラジェの皮膚炎の治療を優先して取り組んでいきます。
※一部twitterの動画で回答している質問があります。浜松市動物園の公式twitterも合わせてご覧ください。