スタッフ日記
「夏のユキヒョウだより」
毎日暑いですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?
今日は、そんな暑い夏にはある意味季節外れ(?)な動物、ユキヒョウのお話です。
ユキヒョウは、名前にユキと付いていることからも分かるように、元々は寒い場所で暮らしている動物です。
本来野生で暮らしている場所は中央アジアの山岳地帯、ヒマラヤ山脈などが生息場所です。
標高が高い場所に住んでいる=気温が低い環境に適応した動物で、マイナス数十度になるような場所でも生きていくことができます。
他のネコ科と比べて、もふもふとした毛皮や尻尾をしているのは、そういった極寒の地で生き抜くためなんでしょうね。
そんなわけで、ユキヒョウは寒さにはとても強い動物なんですが、逆に暑いのは苦手です(ー ー;)
浜松市動物園では、暑さ対策として夏季の間は室内を24時間冷房管理をしています。
また外の運動場には冷房が無いため、冷房の効いた室内と外の運動場をユキヒョウ自身が自由に出入りできるようにしています。
そのためユキヒョウが見えにくい場合がありますが、健康管理のためご理解をお願いいたします。
さて、そんな元々暑いのが苦手なのに加えて今年の異常な暑さ、ユキヒョウ達もさぞやバテバテだろう……と思いきや、意外とそうでもなく、割と元気に過ごしています。
まぁ、一日の大部分を冷房の届く範囲で過ごしているので当然といえば当然なんですが、それでも外との温度差などで体調を崩すこともなく、2頭とも食欲もモリモリで夏バテ知らずです。
特に、メスのリーベは高齢なのに加えて元々札幌の動物園で暮らしていたので、北海道と比べて暑さが厳しい浜松の夏が心配でしたが、今の所元気に過ごしてくれていて飼育員としても安心しています。
リーベに関してはむしろ、今まで馴れない環境のため引きこもり気味だったのが、ようやく少し浜松に馴れてきてくれたのか、以前と比べるとかなり頻繁に外に出てきてくれるようになりました。
丸太や台に登ったり、爪とぎをしたりとだいぶ外でも落ち着けるようになった様です。
また、馴れてきたことでコハク(オス)に意識を向ける余裕も出てきたようで、オリ越しにコハクをジッと見つめたり、追いかけあったりするようになりました。
【コハクの方を見つめるリーベ】
近づくとこっちを気にするので、邪魔しないよう遠くからの写真しかありませんが…。
反対側ではコハクがビビりながら見ています。
気になる人は実際に見に来て下さいね!
余談ですが、初めてこの行動をするリーベを見た時は、「あのリーベがようやく馴れてきた…!」と密かに一人で感動してました。
(2頭に気付かれないように、かなり遠くから木に隠れて見てました。)
※ユキヒョウ舎周辺で隠れてコソコソしている飼育員がいても、怪しい人じゃないので気にしないで下さいね(-.-)
一方コハクは、リーベに合わせて追いかけたり柵越しに飛びついたりすることもあれば、逆にリーベに見られ続けるのが落ち着かない時もあるようで、ソワソワしたり部屋に隠れたりすることもあります。
こちらはもう少し時間が必要そうですね。
うーん、繊細。
【落ち着かないコハク】
リーベを出待ちしてる時もあるので、嫌ってるワケではなく、気になるけどビビる、ビビるけど気になるみたいな感じなんだと思います。
以前と比べると、2頭ともかなり行動が変わってきましたね。このまま少しずつお互いに馴れて、関係性を深めていって欲しいところです。
コハクとリーベの今後、暖かく見守っていただければ幸いです♪
最後に、2頭がよく出ている時間帯をお知らせしたいと思います。
前述の通り、基本的には冷房のある室内にいることが多いです。
よく外に出る様になったといっても、暑いので1回に出てる時間は大体5〜10分くらいです。
しばらく外をウロついて、暑くなったら部屋に戻って、また涼んで暇になったら外へ…みたいな感じなので、タイミングによってはご覧いただけない場合もあります。
ユキヒョウをご覧になりたい方は、以下を参考にして下さいね♪
コハク:時間帯はあまり関係なく、1日通して出たり入ったりを繰り返しています。比較的よく出ているのは朝方と夕方ですが、それ以外の時間帯も昼寝している時以外はそこそこ出ています。外にいない場合でも、少し時間を置けば出てきてくれるかもしれません。
リーベ:午前中はほぼ室内で寝ています。外に出るのはお昼過ぎくらいから、特に15時〜16時30分くらいの夕方には頻繁に出ています。コハクとリーベがオリ越しにコミュニケーションを取っているのも、大体この時間です。
100%の保証はできませんが、2頭に会いにくる際にはご参考にどうぞ( ̄Д ̄)ノ
そんな訳で、夏のユキヒョウ達でした。
まだまだこれからが夏本番、ユキヒョウ達も夏を元気に乗り越えられるよう健康管理を気を付けますが、今年はユキヒョウだけでなく人間にも堪える暑さです。
皆さんも体調にはお気を付け下さいね!
動物園にお越しの際には、熱中症対策をお忘れなく!
【おまけ】
以前の記事で飼育員にはあんまり馴れてくれていない(泣)と書きましたが、あれから数ヶ月、2頭と飼育員の仲はどうなったんでしょうか…?そんなレポートです。
リーベ:飼育員がエサを持っていない時→相変わらず近づくと怒る。
飼育員がエサを持っている時→怒らない。むしろリーベの方から近づいてくる。
一口コメント:なんかこう書くとすごい現金な気が…(ー ー;)いや、怖さより食欲が勝つようになったので良いことなんですが、何かフクザツ…。
ま、まあ少しは進展したんじゃないでしょうかね、うん。
コハク:以前は手渡しでエサを受け取っていたのが、最近は受け取らず怒る時が多い。
一口コメント:悪化しとるやないかい!Σ(゚д゚lll)
というツッコミは置いといて、これは理由がハッキリしていて、リーベの影響だと思います。
先ほど書いたように、夕方はリーベがコハクを頻繁に見にいくため、コハクも良くも悪くもリーベに反応して落ち着かないモードになってます。
なので、そのまま落ち着く前にエサの時間になった時は、リラックスしてエサを食べる精神状態ではないので、人に対しても少し気が立っているんだと思います。
別に手渡しでなくても少し時間が経って落ち着いたら普通に食べてくれるので問題はないんですけどね。
コハク自身がリーベにもう少し馴れてくれるまでは我慢ですね。
まあ、飼育員との関係よりコハクとリーベのお互いの関係の方が大事なのでこっちは二の次なんですが、こちらも微妙に進展しています。……してるよね?してると信じたいです。
何はともあれ、2頭とも元気に過ごしていますので、ご安心下さいね♪