スタッフ日記
「キララ☆外の世界は刺激的!?」
前回のブログでいくつかトピックがあると書いたのですが覚えていますでしょうか。
おそばせながらご報告が遅れた理由と共に紹介させていただきます。
実はキララが浜松市動物園に来てからしばらくして、閉園間際の時間などを利用してお外に出る練習を始めていました(^-^)
しかし、お外デビューのその日、ご報告が遅くなる原因となった事件が・・・!!
お外デビュー当日の夕方、飼育員たちが見守る中、意外にもすんなり外へ出るキララ。
チイタやキンタロウのにおいがついているのもあってか、いたるところのにおいをかいでは、せわしなくマーキングをしていました。
好奇心旺盛なようで、いろいろなものに興味を示します。
運動場に植わっているドウダンツツジが気になる様子。
ドウダンツツジは前にいたテルもお気に入りでした。
若いだけあってチイタやキンタロウでは考えられないアクロバティックな登り方をするキララ。
腕力がすごいですね。
普通に枝を伝っていったほうが早くて楽な気がしますが(;^_^A
テルのお気に入りだった東屋もチェック。
そしておっかなびっくりな様子で東屋からつり橋へ帰ります。
若干距離があるのが怖いのか、なんとか四つ足をつけた状態で渡ろうとしていました。
ちなみに、今でも東屋からつり橋への移動はまだちょっと苦手なようです(;^_^A
屋外展示場にすぐに慣れてくれ、臆することなく好奇心旺盛に探検をしてくれるのは、私たち飼育員としても非常に喜ばしいことであったのですが、ここでひとつ大きな問題が発生しました。
下の写真をご覧ください。
かっこよくポーズを決めているキララ・・・ではなく、キララが前足をおいているものにご注目。
キララが手をおいているものは電柵なのです!!
電柵は屋外展示場の外縁部に這わせてあり、電線部分に触れるとバチリと電流が流れます。
そのバチリがかなり痛いので、一度触ればそれ以降電柵に近づかなくなるようになる、いわゆる精神的な壁をつくる効果があり、動物たちの脱走防止のためにはとても大事なものです。
電気のショックを与えるのはかわいそうに思うかもしれませんが、もし万が一逃げ出してしまえば捕獲などもっとかわいそうなことをしなくてはいけなくなります。
事実、チイタが浜松市動物園に来た際も最初は写真のキララがいる場所から脱走を試みようとしましたが、電柵に触ってショックを受けてからは試みなくなりました。
ちなみに電柵の刺激は毛皮には効果が薄く、足の裏がふさふさなレッサーパンダは写真のように前足で触れる分には大丈夫かもしれません。
しかし、通常、新規物への探索は前足ではなく鼻でにおいがかぐことから始まり、鼻は湿っているためよく電気をとおすので効果的であるのです。
しかし、困ったことにキララは鼻先で電線を触れてバチッと音が響いても動じることなく平気な顔をしていました(-_-;)
これはもしものことがあってはいけないと、急いでキララを寝室へ戻しました。
もしかしたら、電線が経年劣化しているのではないかと考え実際に触れてみたところ、触れた瞬間飛び跳ねる担当飼育員。
電線は問題ないようでした。
ということは、キララが痛みに強いというか鈍感というか・・・(;^_^A
このままでは脱走の危険があるため、対策として何日かかけて電線を追加一部変更し、電柵を強化しました。
対策をしっかりした後、二度目のお外へ出しました。
早速新たに張られた電線に興味を示して鼻先で電線に触れるキララ。
今度は触った瞬間声をあげて跳びのきました。
かわいそうですけど、電柵に触ってはいけないと覚えなくては外へ出すことができないので一度は仕方がないのです。
その後、何度も外の練習をしましたが、あれ以降電柵に触れようとしなくなったので、大丈夫だろうと判断して今回ご報告の運びとなりました。
現在は不定期でキララが屋外展示場に出ています。
臆病でパニックになりやすいのは外でも相変わらずですので、ご覧の際は大きな音等出さず、静かに見守っていただけたら幸いです。
ご協力よろしくお願いいたしますm(_ _)m
↓黄色の電線が新たに追加や代替された部分。これも担当飼育員が体を張って試しましたがたしかにパワーアップしていたそうです。