スタッフ日記

ゾウはそこそこ頭の良い動物だとは皆さんもご存じだと思います
その頭の良さを利用して動物園ではショーや馴致が行われています

ハマコはと言うと、幼年から人間社会で暮らしてきた為かある種の「計算高さ」を身につけているように思います
動物は本来「損得」が行動基準のひとつになっているのは言うまでもありませんが、ハマコには人を利用して「得」を得ると言う特技があります
今回はこんなことがあったのでそのお話を…

ある日部屋の掃除をしていたらハマコのいる運動場の方から
「カーン、ガリガリガリ」
という音が聞こえてきました。担当者はすぐに思いました
「また石を拾って遊んでんだな」
たまにあることなのでほっといていましたが、明らかに遊んでいると言うよりアピールでした

私たちは本来ハマコが持っていてほしくない物（例えば人から奪ったもの、危険な物）をハマコが持っていた場合にりんご等のエサと交換して返してもらうようにしています
そうするとすんなり返してくれるんですが、ハマコはいかにも「わたし危ない物持ってるわよ～、返してほしいでしょ～」と言っているようでした

（これがその石で１個は持っていたので全部で３個もあったんです）

その証拠に担当者が手ぶらでふら～っと近づくとさっと石を口の中にいれて隠してしまいました

実はこれがハマコの作戦!!
ハマコは美味しいエサのgetの仕方を知っていてエサが欲しいんです
もしここでリンゴを持って「ちょうだいね」とやればハマコの術中にハマってしまうのです
石は本来投げたら危険なんですがハマコは99％投げないので危険物と認定していません、特にこの大きさなら
なので無視をしていればそのうち諦めて石もその辺に置きっぱなしになるんですが、「これはネタになる」と今回はわざとのってみることにしました

ちょっと奮発してバナナを持って行ったところ指示も出していないのに勝手に「すわれ」のポーズ!

そしてそれまで離さなかった石を捨ててバナナをもらおうとしました（笑）


このように一見人の支配下に置かれているような動物たちでも時には人を利用することも考えも持っているんですね
私たち動物従事者はそういった「付き合い」を重ねて関係を築いたりしますがお互いが利用し合っています
過度な締めつけや甘やかしは良好な関係を作り得ないと思います
でも適度が出来れば誰も悩みませんけどね(^_^;)


さて今日12月28日は浜松市動物園は年内最後の開園日でした。次に動物たちが見れるのは年明けです
本年度も動物園をお楽しみいただきありがとうございました!皆さん良いお年を(^^)/